アトリエあやはた

フランス便り

No.30

第30報です。こんにちわ。
これがフランス便り最終回になります。

パリに住んで2年9ヶ月、その間に8回も日本に帰っておりましたので、実時日はパリ滞在2年余りになります。自分では、パリには充分住んで満足と言うところです。思いますにパリという所は、たまに観光に来て、良い所、きれいな所を観て帰るのが、一番幸せなのかな?と。
住んで、いやな所、きたない所を見て夢が破れるのは、あまり嬉しいことではありません。ともあれ、充分暮らしたので帰ります。 勿論フランス語の勉強は日本に帰っても続けます。「2年もパリに居て、フランス語の収穫はこんなもの?」とあきれられるのは覚悟の上です。

11月17日夜と12月1日夜に、合気道の道場2箇所できもの着付けのデモンストレーションをしました。男性2人女性2人のモデル(いずれも合気道を習っている方達)に男性の紋付羽織袴・女性の袴・振袖等の着付けをお見せしました。二ヶ所とも同じことをしました。モデルは勿論それぞれ違います。
合気道・柔道・剣道等、日本よりフランスの方が盛んなようですよ。
日本も頑張らないと、お家芸を外国にさらわれてしまいます。ただ、その真の深い所の精神は、なかなか解るものではないと称える人もいます。皆々日本文化に対して興味しんしんで、見たり聞いたりしてくれました。着付けばかりでなく、畳むことも披露しました。
5区の道場では80人、19区の道場では30人の方々が見学してくださいました。間に入ってくださった書道師範の大島妙子先生とフランス語の先生のエヴ・ボラトンに感謝いたします。

11月28日に指輪の広告写真の撮影をいたしました。日本の宝飾メーカーがこの度パリにブテイツクを出すので、その宣伝写真です。フランス人のモデルにきものを着せて、指輪をはめた手を撮りました。
180センチ近くもあるモデルで、肩は衣紋掛け以上に張っていました。手はゴツゴツして色がくろく、先刻まで庭いじりしていたの?みたいな感じで、手首の産毛が目立ちました。それでも手のモデルだそうで、あきれてお口あんぐりでした。
あとでフランス人に聞いたら、いわゆる白魚のような手はダメだそうで、個性的な手がよいそうです。メーカーは日本でも、パリのブテイックの社長・演出家・カメラマン・広告スタッフ等みなフランス人です。ブテイックの日本女性スタッフにお世話になりました。こちらも感謝です。

パリは今クリスマス真っ盛り、各商店街のアーチ型ネオンがきれいです。人々は親元へ帰ったり、自分達の家庭でクリスマスを祝います。
教会では24日・25日とも一日に何度もミサが行われます。
私は一人で部屋で荷物の片付けをしています。
ここの所パリは気温の低い日が続いています。大きな荷物は送り出して、着の身着のままのような私は、外へ出るとふるえています。
ここ何日間色々な方達との名残の食事会が続いています。冷蔵庫の中の整理もしなければならないし、食べることに一生懸命です。食べ物を捨てることが嫌いなのです。

窓から見える公園の木々はもう殆んど葉を落とし、梢を空間にさらしています。この公園の景色と空があったので、この部屋で2年間くらせたと思っています。
何十人の恩人がいます。何百人の催しを観てくださった方々がいます。心からの感謝を捧げつつ、いま、ノエル一色のパリにさようなら!

写真
1) 合気道道場でのデモンストレーション出来上がり。(私以外は皆フランス人です)。
2) クリスマス飾りのシャンゼリゼ通り。

合気道道場でのデモンストレーション出来上がり

合気道道場でのデモンストレーション出来上がり

クリスマス飾りのシャンゼリゼ通り

クリスマス飾りのシャンゼリゼ通り
2006/12/25