アトリエあやはた

フランス便り

No.22

こんにちわ。第22報です。
2006年2月19日(日)、日本から下田エミコさんの訃報が入りました。全心身の力が抜けて、ガックリしてしまいました。
30年来の友人で公私共のお付き合いでした。全身ガン転移にもかかわらず、昨年秋まで自転車に乗っていました。私より10才年下でした。

処で、私はこの2月3日で69歳を迎えました。70歳まであと1年だと思うと自分でもびっくりしてしまいます。

フランスでは出生率が上がっているだけあって、街や公園に赤ちゃんが結構います。
ベビーカーは晴れでも雨でも雪でも、そして朝も昼も夜も、そしてそして電車の中でもバスの中にもいるのです。フランスの赤ちゃんは夢のように可愛いです。
青いお目目はまばたきを忘れたようにパッチリしています。冬は完全防寒でぬいぐるみ以上に、パンパンのピンピンです。
帽子はまぶか、かなり小さい赤ちゃんでも靴を履いています。そして手袋(ミトンではなく5本指のです)もしています。
骨組みがしっかりしているのでしょうか?
みんなおとなしくベビーカーにおさまり、外にいればぐずったりしていません。1日のうち長い間ベビーカーに乗っていて、背骨などは大丈夫なのかと心配してしまいます。皆が皆立派なベビーカーではありません。大人たちは、石畳のガタガタ道でもかまわず押していきます。赤ちゃんはガックンガックン揺れています。夕日がまぶしくて赤ちゃんがもがいても押している人には見えません。ごく生まれたて用のベビーカーは寝台式で対面型です。

そういえば、ある日私が地下鉄に乗っている時、地下鉄には演説をしてお金をねだる人、色々な楽器を演奏したり、歌を歌う人など、実にさまざまな人々が乗り込んできます。楽器の演奏が一段落した時、ベビーカーに乗っていた2歳くらいの男の子が、「ブラボー!」と小さな手をたたきました。私は、もうびっくりして、可愛くって、こちらがブラボーと言いたくなりましたよ。

1月の末にあるスペクタクルに関わりました。舞台の上では、女優の一人芝居とお琴と三弦とピアノが演奏される音楽劇でした。皆、プロ中のプロで素晴らしいものでした。お琴と三弦は一人の日本女性です。あとは全部フランス人。初演の創作劇で、女優さんとお琴三弦奏者のきもの着付けとヘアーをやりました。女優さんの動きは激しく、そしてきものを着なれないのできついのは駄目ということで、振袖の袋帯を帯締め1本で結びました。でもみんなに大喜びされてやりがいがありました。パリ郊外の劇場での催しで、山盛りのフランス人のお客様でした。日本人も2・3人いましたよ。

〔写真1〕
舞台写真は、照明の関係で暗いので楽屋で撮ったものです。カンのよい優れた女優さんでした。
〔写真2〕
公演が終わったあとのパーテイで、ケータリングのマダムたちと。お料理はチラシずし。夜中の12時前です。フランスの催しものは、夜遅いのです。みんな平気です。
〔写真3〕
クラスメイトのパティシエ(遠松千保さん、20代)が作ってくれたバースデーケーキ。アンジェリーナ(パリの有名なサロン・ド・テ、モンブランが有名、東京ではプランタンにあります)もはだしで逃げるモンブランでした。

音楽劇の女優さん

音楽劇の女優さん

公演後のパーティー

公演後のパーティー

69歳のバースデーケーキ

69歳のバースデーケーキ
2006/2/26