アトリエあやはた

フランス便り

きものショー

日仏交流150周年記念のこの年に、パリとストラスブールできものショーを行って来ました。講談師の神田紅さんとご一緒しました。
パリでは、紅さんは<源氏千年紀の折、紅恋源氏物語>を語り、私は光源氏を布絵刺繍したきものを発表しました。
ストラスブールでは、ジャパンウイークに参加し、現地の方々をモデルにお願いして、仲間のスペシャリストと共に、帯結び4種をお見せしました。紅さんは、<マダム貞奴>を語りました。
私のショーは、パリ・ストラスブール共、つたないフランス語で解説を致しました。


≪フランス公演プロセス≫

話せば長いことながら「神田 紅さんパリ公演」は、3年前の2005年、私がパリ在住の時から運動(?)をして参りました。
私のきもののデモンストレーションは、パリ滞在中に何度も依頼を受けて行なって来ましたが、見てすぐ判るきものショーと違って、日本でも一部のファンにしか知られていない「講談」を、フランス人にどう解ってもらうか。その前に、パリで紹介をして下さる日本人の方々にまず解って頂くことが問題なのでした。
「講談」と「浪曲」との区別が出来ない方々が殆んどだったのです。
私は、紅さんの創作の才能と、素晴らしい語りと、踊りと歌に加えてその賢さと心意気を紹介したく、紅パリ公演開催を強く願ったのです。

パリに永年滞在のジャーナリストの方の協力を得て、2008年の春、「エスパス・キュルチュレル・ベルタン・ポアレ」を会場としての開催が決まりました。
折りしも、日仏交流150周年と源氏物語千年紀の年と言うことで、紅さんは創作講談「紅恋源氏物語(ぐれんげんじものがたり)」を語ることになりました。そしてもう一つ、「講談のお稽古」も。
挨拶はフランス語で、語りの部分は日本語で、司会の方のフランス語訳付きで。

私は、光源氏の姿を布絵刺繍をした振袖の着付けと帯結びを、フランス語で解説をすることになりました。もう一枚の振袖は、奈良時代の女人の布絵刺繍です。

丁度同じ時期に、フランスのアルザス地方で行われる「ジャパン・ウイーク」にも参加することになりました。
紅さんは、「マダム貞奴」(これも創作ものですが、1900年のパリ万博で川上音二郎と共に大人気をはくした日本の女優第一号の物語です)を一部フランス語で、あとは、日本語で語りました。バックにフランス語の字幕つきです。

私は、現地のフランス女性三人と男性一人にモデルをお願いして、4種類の帯結びを、仲間のスペシャリストの方々のデモンストレーションで見せ、自分自身のフランス語の解説です。

ストラスブールの会場は、コンセルバトワールのホールです。
「ジャパン・ウイーク」と言うのは、国際親善協会が主催する催しで、今年で33回目、欧米各地で毎年開催されている、日本文化発表の7日間なのです。今年は、日本から40団体が参加しました。

2008年11月19日から28日まで、東京と福岡の方々25名のグループで、お互いに助け合いながら公演をして参りました。
パリもストラスブールも、同行の方々からの沢山の協力を得て、成功のうちに終ることが出来ました。感謝・感謝です。

NHK BSの取材陣が、紅さんについて廻りました。日本のリハーサル風景から始まって、フランスでは、現地のNHKの取材でした。 帰国した当日(12/28深夜)、紅さんの生出演も含めて、オンエアされました。

私の2008年は、今回の公演の下準備もかねて、3月・6月・9月とパリ~東京を往復し、忙しい中にもトキメキを伴った日々を送ることが出来ました。

パリ東京 旅をつらねて 去年今年 (節子)

パリの舞台

パリの舞台
パリの舞台 パリの舞台
パリでの神田紅さん

ストラスブールの舞台

ストラスブールの舞台 ストラスブールの舞台
ストラスブールの舞台
ストラスブールでの神田紅さん
2008/12/25